雨の季節に見かけることの多い「カタツムリ」。
「まいまい」とも「蝸牛」とも「でんでんむし」とも呼ばれていますが、実はむしの仲間ではありません。
海に住むサザエやイモガイなどの巻き貝の一種なのだそうです。
ちなみに「ナメクジ」はカタツムリの殻が退化した姿なんだとか。確かに何となく似ていますよね。
秦野市の「まいまいの泉」は、そんなカタツムリに名前の所以がある公共の水場です。
小田急線秦野駅から徒歩20分、南公民館の敷地内にある、まいまいの泉。
渦を巻いた不思議な形が目を引きます
その名前の正確な由来は、「まいまいず井戸」です。
まいまいず井戸は、上古の時代(西暦500年前後)に作られた井戸の俗称で、すり鉢状に掘り下げた井戸の形状がカタツムリの殻に似ていることにちなんでそう呼ばれているそうです。
まいまいの泉はどういう経緯で生まれたのでしょうか?
それには、この地の水質汚染が深く関わっています。
もともと秦野市は、名水百選にも選ばれた「秦野盆地湧水群」を擁する豊かな水の産地でした。
ところが、平成元年に水質汚染が発覚し、名声は地に落ちてしまいます。
そこで、官民一体で浄化事業が推進されることになり、努力の甲斐もあって2004年に名水が復活しました。
まいまいの泉は、その事業の一環として整備されたそうです。
地下水に親しむために設置された泉は市民の皆さんによって支えられているようです。
平日のお昼時でしたが、たくさんの方々が汲みにきていました。地元に愛される名水ですね!
<ひとくちMEMO>
カタツムリと言えばアジサイの葉っぱがイメージされますが、
都会ではブロック塀やコンクリート壁で見かけることもよくあります。
これは殻を作るために必須のカルシウムを、コンクリートから摂食するためなのだそうです。
カタツムリも大変ですね…。
まいまいの泉から歩いて5分程のところには「名水」と入った公園がありました。ちょっとした散策にオススメですよ。